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1巻ですらなく1話で完結する読み切り漫画。たった数十ぺージにも関わらず宝石のような作品に出会うこともあります。
一方で単行本化することも少ないため、なかなか面白い読み切り漫画に出会うことも難しいのも事実。この記事では、星の数ほどある読み切り漫画の中でも名作ともいえる作品を紹介していきます。
読み切り漫画の魅力とは
1. あらたな才能に出会う感激
読み切り漫画はデビュー前の漫画家さんの持ち込みや賞レースの作品が多かったりします。まだ無名でも若い才能の初期衝動ともいうべき作品に出会った時の感動はひとしおだったりします。
2. あのヒット作の原点やサイドストーリーに触れれることも…
誰もが知る名作漫画。その連載前のプロトタイプだったり、スピンオフ的なサイドストーリーが読み切り漫画で描かれることも少なくありません。
この作品からあの伝説の漫画が生まれたのか…となったり、こういう番外編を書きたかったのかとなったり新しい発見につながることも。
3. 1巻ですらない「1話」に込められた珠玉のストーリー
読み切り漫画は1話完結ということで非常に短いです。1巻よりも短いページ数の中で描かれたストーリーは連載とは違う魅力があります。
おすすめ読み切り漫画10選
珠玉の読み切り漫画と読む方法を紹介します。
1. COSMOS / 池本幹夫
ジャンプ読み切り史上最高傑作『COSMOS』/ 池本幹雄について語りたい個人的にもっとも連載を望んでいた読み切りで最高傑作なのが『COSMOS』です。ジャンプで2回読み切りが掲載されました。
バドワイザーと呼ばれる不良少年がスラム化した街で戦うハードボイルドな漫画でセンスあふれる絵、構図、台詞回しが秀逸で当時の読者は連載を心待ちしていたことでしょう。
しかしジャンプで連載されることはありませんでした。「PLASMA」というマイナー雑誌で連載されてたらしいですが単行本化はされていません。
池本幹夫先生はその後『NARUTO』のアシスタントになり、最後まで連載を支え今は『BORUTO』を描いています。しかし、私は池本幹夫先生のオリジナルが読みたかった…
現時点では正規の手段で購入することができません。当時のジャンプをオークションで買ったり、国立図書館で探す…というのが唯一の方法でしょうか…。ジャンプ+で電子化してほしい…。
2. ピアス / 井上雄彦
単行本未収録で井上雄彦の幻の読み切りと呼ばれたのが『ピアス』です。この『ピアス』が掲載されてたジャンプはオークションサイトなどで高値で取引されることもありました。
内容は宮城リョータと思われる主人公があやこと呼ばれる少女に出会い、大人になるためピアスを耳にあけるという話。
瑞々しい描写と『SLAM DUNK』で描かれなかったリョータの過去を思わせる描写で話題になりました。また、本作『ピアス』は『THE FIRST SLAM DUNK』で描かれたリョータの過去であったため、この読み切りがあったから『THE FIRST SLAM DUNK』が生まれたんだなと感じることができます。
『ピアス』は『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』という映画の特別の解説本に掲載されています。幻だった作品をこの本を買えば読めますよ。
3. ROMANCE DAWN / 尾田栄一郎
『ROMANCE DAWN』つまり、『ONE PIECE』のプロトタイプ。祖父から麦わら帽子を受け継いだルフィがアンと呼ばれる少女と出会いモーガニアと呼ばれる悪辣な海賊と戦う話。
読み切りで読んだ当時あまりの面白さに衝撃を受け、『ONE PIECE』連載の予告を見た時に「あの時の読み切りだ」とすぐに理解しました。ゴムゴムの実を使った戦闘の描写もこのころから健在。ちなみに『ROMANCE DAWN』という同名タイトルで読み切りがもう一本あります。
ちなみに『ONE PIECE』の第1話のタイトルも「ROMANCE DAWN」。尾田先生にとって特別な言葉なのでしょう。
尾田栄一郎先生の短編集『WANTED』に収録されています。
4. ヒトナー / 屋宜知宏
獣が人間のように進化してケモと呼ばれている惑星にある日突然に人間がやってきた。霊長であると自尊しているケモ達はヒトを調べる過程でヒトに魅了されていくというような話。
多くの漫画家が絶賛し、バズりまくった本作。絵が上手い、話の展開が秀逸、アイデアが素晴らしくキャラが可愛い。これぞ読み切りというような話のまとまりが最高です。
『ヒトナー』は「ジャンプ+」で読むことができます。
5. 俺は沢口靖子のことを何も知らない / 石川実
タイトルからしてとんでもない本作。漫画投稿サイトに投稿され、Twitter を中心にバズっており、私もその時に拝見しました。
ページ開いた瞬間のインパクト、唐突なボーイミーツガール、要所要所に挟まれる沢口靖子ギャグ、そして最後の切なさ。これぞ短編というべき傑作で、作者の異質な才能を感じることができます。
『俺は沢口靖子のことをしらない』は「DAYS NEO」の読むことができます。
6. ルックバック / 藤本タツキ
『ルックバック』の読み切りが発表された日のTwitterのざわめきを鮮明に覚えています。読者の反応以上に同業である漫画家がその才能に打ちのめされているような、そんな作品でした。
『チェンソーマン』の第1部を描き切った藤本タツキが世に放った渾身の読み切り。2人の少女が漫画家になることを目指して奮闘する友情とその後の悲劇を藤本タツキテイスト全開でみずみずしく描いています。
一方で、現実の事件をモチーフにしたことにより一部の批判がありやや内容を修正するということが起きました。こういう表現の自由を侵害するクレームに集英社が屈するのは本当に嫌です。
『ルックバック』は単行本化してるのでそちらで読みましょう。ジャンプ+では最後まで今は読めないようになっています。
7. COM-COP / 岩泉舞
天才と呼ばれながらもデビューすることがなかった伝説の漫画家・岩泉舞先生の読み切り。『COM-COP』は幽霊が起こす事件を担当するコム刑事の活躍を描く作品で、ロンドンのような街を舞台にしています。シャーロックホームズを意識したとか。
岩泉舞先生の読み切りは傑作が多く私も30年以上前なのに鮮やかに覚えております。それだけに連載に至らなかったのは残念でしたが、今先生が少しずつ執筆をしているようなので今後の先生の活躍を期待しています。
岩泉舞先生の珠玉の短編が30年の時を経て書籍化しました。『岩泉舞作品集 MY LITTELE PLANET』に『COM-COP』が掲載されています。それ以外にも『七つの海』など名作多数です。
8. the Killing Pawn / 皆川亮二、諫山創
『進撃の巨人』の諌山創が『スプリガン』『ARMS』の皆川亮二の画力で遊びまくった本作が『the Killing Pawn』という将棋漫画です。
歩を指す時の衝撃破で相手を一手で倒すという自分で書いていて何言ってるかわかんないですが、そういうふざけまくった漫画です。
このシーンはもはやネットミーム化しています。
皆川亮二の短編集である『転送者 皆川亮二短編集』に掲載されています。
9. MA・MA・Match / 末次由紀
『ちはやふる』の作者である末次由紀先生の傑作読み切りが『MA・MA・Match』。少年サッカーに応援に行っている母親たちが子供たちと喧嘩し、ママチームを組んで子供たちと試合するという話。
子供たちにいい大人になってもらうために必死になって練習する母親たち。それぞれバックボーンが違う母親たちが家族に向き合い挑戦していく様はまさに母は強し。素晴らしい読み切りでした。
『MA・MA・Match』はコミックDAYSで課金すれば読むことができます。
10. 静と弁慶 / 三木有
日本においては女性優位の武道なのが「なぎなた」ですね。その「なぎなた」を子供頃からずっと一緒にやってきた静と弁慶の最後の大会を二人の心情を中心に描いた傑作です。
すばらしい青春漫画で思春期ならではの葛藤を通して成長していく静と弁慶の描写がたまらなく美しいです。
『静と弁慶』は「ジャンプ+」で読むことができます。
読み切り漫画はマンガアプリで読む時代に!
読み切り漫画は増刊号や漫画雑誌を購入しないと昔は読めませんでしたが、今はウェブやマンガアプリでの掲載がすすんでおります。
単行本化されていない作品もマンガアプリでも読めるようになってきているので、良い読み切り漫画を読みたいならマンガアプリをダウンロードしておくことをお勧めします。
とくにジャンプ+の読み切りのレベルは高すぎるので要チェックです。
まとめ:読み切り漫画の傑作を探そう
読み切り漫画はその性質上名作を探しづらかったりします。この記事をきっかけにおもしろい読み切り漫画に出会ってくれると嬉しいです。