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何もない休日の夕方は2歳になる息子をベビーカーに乗せ近所を散策することが僕の日課である。小綺麗なマンションや小さな公園、川辺を散歩しながらこの子のこれからのことを思った時にとんでもないことに気がついた。
「あれ、この街『秘密基地』作る場所なくね?」
秘密基地。それは子供時代究極の遊びと言えるだろうし、僕が最もノスタルジーを感じるものの一つでもある。それを作れそうな場所はこの街にはどこにも無いように思えた。
最高の遊び「秘密基地」とは
秘密基地とは周囲に知られないように作られた拠点のことを指す。地形を利用したりカモフラージュを施したりして建設する大掛かりなものもある。また、子供の間で、部外者に知られたくない秘密の遊び場の意味でこの語を使うことがある。 -wikiより抜粋
僕が小学生だったのは20年近く前だが未だに色鮮やかに覚えているものだ。僕らの時にもすでにテレビゲームはあったし、ポケモンだってあった。けど一番面白かった遊びといえば「秘密基地」だったと断言できる。多分僕と同じような感覚を持つ人は多いだろう。
「秘密基地」はなぜ面白いか?
「秘密」という甘美な響き。秘密基地は面白くて当たり前の条件が整い過ぎている。仲の良い友達だけで秘密を共有している感覚。大人も、兄弟も、ちょっとしたクラスメートや女の子にも内緒。そして、誰も知らない場所を探し出す冒険。作り上げる喜び。秘密、冒険、工作。それが秘密基地だ。
夏休みに仲良しで集まって「場所」を決め、荷物やお菓子、宝物を運び込み何日もかけてつくり上げる。その苦労、過程がたまらなく楽しいのだ。どんな基地を作ろうか、基地で何をするか、何を持ち込むかをワイワイ相談している時間が最高だった。
秘密基地はどこに作られるのか?
都会の事情は分からないが、田舎だと大体山や森の中に作られる。僕は住んでいた団地の裏に山があったのでそこに作っていた。当時は考えもしなかったが当然私有地なんだろう。登らないように入口に有刺鉄線があったのを覚えている。子供たちにとってそんなものはどうでもよく有刺鉄線をくぐりどんどん山に登っていた。
僕らが秘密基地を作っていた場所は幼稚園の頃遊んでくれていた近所の小学高学年のお兄さん達が作っていた場所だ。山の奥に少し大きな木とちょっとした空間があり基地を作るには十分すぎるような場所だった。そう、秘密基地は秘密と言いつつ代々受け継がれるのだ。
どうやって秘密基地を作るのか?
これはあくまで僕らの場合だが、かなり本格的だった。
工作で使うノコギリを持込み竹林で竹を切りまくった。その竹を使ってテントの骨組みを作り近所のスーパーから大量に仕入れたダンボールを使って壁と屋根を作った。
中に10人ぐらい入れたからかなり大きさだ。
しかし今思うとかなり恐ろしい。勝手に私有地に入り込み、竹を切り倒し、巨大な建造物を建設していたのだから。子どもは恐れを知らない。
秘密基地で何をするのか?
実は秘密基地のピークは基地の完成だったりする。作っている最中が一番楽しくて出来てからは惰性だ。それでもお菓子を持って行ったり、タケノコやフキを取ってきて焼いて食べたりしていた。
秘密基地にも寿命がある。秘密基地は夏休みに作るのだが、夏休みを過ぎると急に足が遠くなるのだ。そもそも出来上がる頃が夏休み後半だったりする。
https://www.youtube.com/watch?v=gDT2hlhgt_Y
君と夏の終わり、、、なのだ。
しかし、多くの秘密基地は夏の終わりまで辿りつけなかったりもするのだ。
秘密基地戦争(キッズ・ウォー)
秘密基地は案外秘密じゃない。誰かから漏れたり、他に秘密基地を作ろうしている奴らに発見されたりする。僕らが小学校最後に作った秘密基地の最後は一個上の小学6年の先輩に壊された。
ある日僕らが完成した秘密基地向かうと途中に自分たちの作った秘密基地の1/3ぐらいのスケールの基地を見つけた。見つけた瞬間に嫌な予感がした。明らかに僕らの作ったテントを壊して作ったのがわかったからだ。
何日もかけて作ったものがあっさり壊され、さも自分たちが作りましたと言わんばっかりに作り替えられていたのだから喪失感はとんでもなかった。とりあえずその秘密基地はぶち壊したが、とてももう一度作る気にはなれなかった。場所もバレているし、壊した先輩たちにも心当たりがある。これ以上もめるのは得策じゃなかった。
この後僕らは二度と秘密基地を作ることはなかったが、夏の終わりも見えていたし調度良かったのかもしれない。
東京に育つ子供たちへ
東京には何でもあると思っていたけど、やっぱり東京では叶えられないこともあるようだ。僕らが最高だと思っていた夏休みの秘密基地はTVゲームの中にしか無い。
息子に何がしてあげれるだろうかと考える。夏休みに田舎に連れて帰るか、キャンプに連れて行くのもいいかもしれない。変わりになるかはわからないけど、せめて近い体験をさせてあげたいものだ。