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2017年4月より「電力の小売り自由化」に続いて「ガスの小売り自由化」が始まりました。 盛り上がってるとはいい難い「電力の小売り自由化」よりもさらに盛り上がりを感じない「ガスの小売り自由化」についてそもそもどんなことなのかを説明していきます。
電力自由化とは?電力事業社徹底比較 | おすすめ電力会社詳細と選び方
そもそも「エネルギー自由化」とは何か?
家庭向け電力の小売り自由化でにわかに注目を浴びたエネルギー自由化。エネルギー自由化とはつまり
- エネルギー創出の自由化による安定供給の確保
- 送配電網・ガス導管などの自由化による公平な分配
- 小売の自由化による料金の抑制、サービスの多様化
この3点を目的にしたものになります。
しかし消費者にとって小売りの全面自由化はとっても重要ですし、 電力の小売り自由化では多くの異業種が参入しました。
「エネルギー自由化」のスケジュール
2016年の電力の小売自由化、2017年のガスの小売自由化に続き2020年には電力の送配電網、2022年には都市ガスの導管が既存の電力会社、ガス会社から分離・独立することが決まっています。それまでは既存企業の一部門として存在し、新規参入の企業はこれを間借りする形で事業をすることになるということです。
「ガス自由化」とは?
経産省のHPから抜粋すると
現在、敷設されているガス管を利用して、これまでの都市ガス会社だけでなく、新しく参入する会社もガスを供給・販売することができ、消費者は会社を選ぶことができるようになります。
とのこと。電力の小売り自由化同様に消費者はガスを提供する事業者を選べるようになりました。このことを2017年4月から始まったガス小売全面自由化と呼びます。
「都市ガス小売り自由化」までの歴史
時期 | 対象 | 自由化率 |
1995 | 巨大工場 | 47% |
1999 | 大規模工場、商業施設など | 52% |
2004 | 中規模工場、ホテルなど | 56% |
2007 | 小規模工場、ビジネスホテルなど | 63% |
2017 | 家庭、小規模法人施設など | 100% |
都市ガスも電力同様に地域ごとの大手ガス会社が独占してきました。電力が特別高圧→高圧→低圧と小売り自由化の対象を少しずつ広げてきたように、ガスも大規模工場向けから一般家庭へと少しずつ対象を広げてきました。
2017年4月の一般家庭向けの市場開放により電力同様に様々な異業種参入による市場の活性化が期待されています。
(参考) ガスの種類
ガスの種類は大きく分けて3つあります
- 都市ガス…液化天然ガスを原料とし、道路に埋設されたガス導管を通じて届けられる。
- LPガス…液化天然ガスを原料とし、LPガスが封入されたボンベを需要家まで配送する。プロパンガスとも呼ばれる。
- 簡易ガス…簡易なガス発生設備で発生させたガスを。団地などの供給地店内で70戸以上の需要家に供給。
都市ガス供給の仕組み
都市ガスは原料である液化天然ガスを輸入し、基地施設で気化して貯蔵、圧力を低くした状態でガス導管を使い各需要家にまで届けないといけません。
「ガス小売り自由化」と「電力小売り自由化」の違い
ではガスと電力の小売り自由化の違いを解説します。
地域格差がある
「都市」ガスという通り、都市ガスの導管は都市部に集中しておりサービスを提供できるエリアが限定的です。一方で電力は全国に送配電網が整備されているため地域格差がほとんどありません。つまり、今回の「都市ガスの小売り自由化」は都市部在住の人のみが恩恵を受けれることになります。
新規参入企業が少ない
電力の小売り自由化の際には多くの異業種企業が参入を表明したのですが、ガスの小売り自由化に関してはすでにLNG取り扱いがあるエネルギー系企業がほとんどです。というのも、前述したとおりガス自由化に関してはLNGの調達が必須であり大規模なインフラ投資が必要だからです。
ガス自由化の切り替え手順
ステマくさい前フリを入れましたが実際にやることはほとんどありません。
- ガス会社を選ぶ
- ガス会社のHPから手続きを行う(検診票を用意しておくとスムーズ)
- 新しい会社から切り替え日の日程の通知をもらう
- 移行完了
ガス自由化参入企業のサービススペック比較
選択肢がほぼない都市ガスの自由化…やる必要があるのかわからなくなってきましたが参入開始している企業の中から料金プランを比較していきます。
1. 東京電力
電力自由化ではボコボコと顧客を持っていかれた東京電力。しかも東京ガスに…このガスの自由化で顧客を取り戻したい…ところだけどどうしてこう中途半端なプランが出てくるのか。
料金
料金表 | 1か月のガス使用量 | 基本料金 | 従量料金(円 / ㎥) |
A | 0㎥から20㎥まで | 722円84銭 | 138円38銭 |
B | 20㎥をこえ80㎥まで | 1,005円70銭 | 124円24銭 |
C | 80㎥をこえ200㎥まで | 1,173円31銭 | 122円14銭 |
D | 200㎥をこえ500㎥まで | 1,801円87銭 | 119円00銭 |
E | 500㎥をこえ800㎥まで | 5,992円27銭 | 110円62銭 |
F | 800㎥を超える場合 | 11,853円83銭 | 103円29銭 |
ポイント
〇:東京ガスの「一般契約」から一律3%oオフ
〇:スタート割は契約から1年間は+5%オフ。つまり初年度のみ8%オフ
〇:東京電力というブランド(安心感)
△:電気との契約必須。ガスのみの契約が不可
△:多くの家庭が利用している「従量電灯」プランは新プランに乗り換える必要あり
△:東京ガスの電力+ガスプランのほうが安い
2. ニチガス
元々はプロパンガスの大手で埼玉や千葉県中心に都市ガス事業を行っていたニチガスが今回のガス小売り自由化のタイミングで営業エリアを広げてきました。東京ガスのエリアでもっとも攻めてるのはニチガスでしょう。
料金
料金表 | 1か月のガス使用量 | 基本料金 | 従量料金(円 / ㎥) |
A | 0㎥から20㎥まで | 780円84銭 | 135円53銭 |
B | 20㎥をこえ80㎥まで | 1,057円97銭 | 121円68銭 |
C | 80㎥をこえ200㎥まで | 1,222円13銭 | 119円62銭 |
D | 200㎥をこえ500㎥まで | 1,837円73銭 | 116円55銭 |
E | 500㎥をこえ800㎥まで | 5,941円73銭 | 108円34銭 |
F | 800㎥を超える場合 | 11,687円33銭 | 101円16銭 |
オプション
ニチガスはオプションが大量にあるのでうまく使うと最大30%ほど東京ガスより料金が安くなる…ようですがまあ現実的じゃないです。一応オプションを書いておくと
- スイッチングキャンペーン…初回請求より2000円オフ
- ガス器具購入…5000円キャッシュバック
- ビットコイン支払い…100円/月オフ
- 電気セット割り…100円/月オフ
- アクアクララ申し込み…300円/月オフ
- インターネット回線申し込み…300円/月
アクアクララて…
ポイント
〇:大体の家庭が3~5%オフに
〇:ガスだけの契約が可能
〇:オプションが豊富でうまく使えば割引率が高くなる
△:電気+ガスで見たら東京ガスのプランのほうが結局安い
まとめ
電力小売り自由化に比べ参入障壁が高くバラエティととんだプランがないばかりか、なんやかんや東京ガスのガス・電気セット割引のほうがお得というまじで意味ない感じなのが今です。すでに電力自由化で別のプランにしてる人はニチガスにすることで少しはお得にできるでしょうが…。
結果的に東京ガスはこのエネルギー小売り自由化で一人勝ちすることになりそうですね。