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数年前友人の結婚式で地元に帰った時に空港まで母が迎えに来た。
家に向かう道中で近況を聞くと母から斜め上の近況を報告された。
「大変だったんだよ、お父さん当たり屋にあって……」
は?心配させないように地元にいない俺には黙っていたらしいんだけどなかなか大変だったみたいだった。
親父、当たり屋に出会うの巻
うちの親父は10年ほど前に不景気の煽りを受け会社をリストラされ、その後はタクシーの運転手をしていた。リストラされた親父を見たのは正直ショックだったが、ある意味ひとりで自分のペースで働けるタクシーの運転手は安月給ながらも親父に合ってるらしく真面目に働いていた。
そんな真面目に働く親父に災難がふってかかった。 夜の小道を走っていると突然ボンネットを叩かれたらしい。 轢いたわけではなく、通り過ぎる際にボンネットを叩かれた。いたずらかと思った親父はそのまま立ち去ったのだがこれが良くなかった。
後日親父が働くタクシーの職場にヤクザが現れ治療費と示談金らしきものを揺すってきた。うちは決して裕福ではないしのでとてもじゃない状況だった。
当たり屋の手口と対処法
当たり屋とはつまり詐欺だ。
自分で当たっておきながら金銭を要求する。示談にするから警察を呼ばなくていいとパニックになってる被害者を揺さぶるという手口。実に悪質。
対処法はシンプルで警察をよんで現場検証してもらうこと。そうすれば不自然な点も出てくるし警察が来る前に逃げることもあるらしい。
うちの親父は警察に相談しなかったのが良くなかった。
兄、動くの巻
この事態に兄が動いた。
我が家は三人兄弟なんだけど動いたのは長男(私は三男坊)。兄は家ではぼーっとしていてなんか抜けてる感じがするんだけど感情を表に出さない良い兄だった。次男とは喧嘩を頻繁にしてたけど長男とは喧嘩した記憶が無い。家にいるとずーっとビール飲んでるけど笑。 しかしこの兄、天性の人たらしというか色んな人にかわいがられる才能を持っていた。とにかく地元では顔が広い。
【当たり屋体験談】タクシー運転手の親父が田舎でヤクザの当たり屋にあった話
僕の中学は荒れまくっていたんだけど、兄の時代はこの比じゃなかったらしい。ただ、そんな環境において兄はグレることもなかったが、天性の人誑しでヤンキーとも仲がよくヤンキーの友達がたくさんいた。
この中学の頃のネットワークを使い情報を集めたところ意外な事実が発覚した。
事実は小説よりも奇なりの巻
今回親父のタクシーに対して当たり屋行為をしてきたのはなんと兄の中学時代の同級生だったことがわかったのだ。もちろん狙ってやったわけでなくタマタマだ。偶然とはいえ交渉の糸口を見つけたことは多い。すぐにそのヤクザと仲の良い兄の友人から
「お前が当たり屋したの◯◯(うちの苗字)のお父さんのタクシーだぞ」
とそのヤクザに伝えられ、ヤクザは兄に連絡してきた。一連の事を詫つつ組に対する面子があるから手ぶらじゃダメらしいと。結局兄とヤクザで話して最低限の治療費(2-3万)で手をうちこの件は着地した。
少額とはいえお金を払ったのは不本意ではあるが、誰も怪我せず、後腐れなく終わったのは大きい。
素人さんに手を出したらいかんじゃろの巻
今回は事なきをえたが、これが地元じゃなかったり、 兄の知り合いじゃなかったらと思ったらぞっとする。任侠モノとか結構好きだけど、真面目に働いている人達を脅し揺する行為はやはり許しがたい。
素人さんに手を出したらいかんじゃろ。仁義とはなんなのか。
あとがき
当たり屋に 当たってしまったら 110番